eo blog転載「これからのピアノレッスンはコード弾き」【2009年1月11日 (日)】

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 本日の“ピアノ調律師F”のお仕事は、ピアノの先生のご自宅の調律でした。カシオのキーボードが4台もあったので、聞いてみると自宅で教えているとのことでした。

 年齢は30才くらい?(間違っていたらごめんなさい!)そもそも専門はエレクトーン(電子オルガン)だったそうです。主に大人のキーボードを教えているとのこと。既に30人くらいの生徒を確保している様子。殆ど宣伝はしていないのですが、生徒の紹介で生徒とが増えると言う、本来のレスナーのあり方なのは感心しました。

 カシオのキーボードですから、左手は1本指でコードを指定すれば、伴奏は自動演奏。右手も初めは1本指からです。何回かのレッスンで、殆どの人が1曲はこなせるようになります。楽譜も単純なものに、コードネームがふってあるだけ。楽譜が読めなくても、結構やっていけるのが魅力です。

 少し若い人ではコードも覚えて、自分で複雑なコードも弾くようになるとのこと。勿論、右手のメロディーも5本の指を、合理的に駆使するようになるとのこと。

 肝心な事は、習う生徒の立場で、練習が楽しい事。それでなくては音楽の意味がありません。レスナーだって、生徒に喜んでもらって、お仲間を連れてきてくれれば、こんな有難いことはありません。

 日本の音楽大学は、音楽理論に基づかない教育をしているので、現代音楽に完全に乗り遅れています。クラシックが基本であると言う、日本だけの時代錯誤と理論不在。クラシック時代においてのみ必要であった、楽譜中心の練習。こんな古臭い、道理にあわない屁理屈から、音楽大学卒業のレスナーは生徒の能力を育てる事が出来ていません。

 ピアノを習うのは、音楽を楽しむ為です。苦労をしたり、嫌な事をするためではありません。カラオケだって、楽しければ、それで良いのです。高度な音楽を親しむか否かは、あくまで生徒の選択によらなければなりません。どこか勘違いしたレスナーは、まだまだ多いのです。

 音大を目指し、卒業したレスナーが、自らが鍛えられた方法を、これからの生徒に強要する時代は、既に過ぎ去っています。事実、そのようなレッスンでは数割の生徒しか、短期間に残らなくなっています。しかし、今日のレスナーは、自然に生徒が増えると言うのです。全部の生徒が永遠に続けてくるとは言いません。しかし、多くの生徒は自らの成長を確認し、楽しくて続けることでしょう。

 現代のキーボードは、実に良く出来ています。少し音楽をかじった人であれば、今日のようなレスナーに出会えれば、数日で何曲か弾けるようになります。楽しくなって、コードを自由自在に駆使できるようになるでしょう。そこまで行けば、聴いた事のある曲であれば、楽譜がなくても、その場で弾けるようになるのです。本来の音楽とは、実にそのようなものなのです。

 音楽大学を卒業しても、そのような能力を身につけている人は少ないのです。音楽は聴いて、その真似が出来なければ、音楽家とはいえません。昨年、お亡くなりになった羽田健太郎さんは、井口基成(明治時代のピアニストの大御所)の愛弟子です。しかし、彼はピアノをコード弾きします。知っている曲であれば、その場にあわせて即興で弾く事が出来ます。これはエレクトーンの演奏者なら、誰でも出来ることなのです。音楽大学よりも、エレクトーン学校の方が、高度なテクニックを教えるようになったこの頃です。

 はてさて、私どもピアノ調律師にとって、誰でもがピアノに親しんでもらえる時代が来る事は、重大な願いなのです。仕事が増えるのですから、有難い事です。ピアノをコード弾きするのが主流になれば、かつてのホークソング・ブームのように、誰でもがギターならぬピアノを弾くようになるのです。

 残念ながら、旧態依然のピアノを教えているレスナーが、我々ピアノ調律師の最大の援助者と言うのが実態なのです。

このエントリーを書いたのは、10年も前のことです。でも、現状は変わっていませんね。縁あって、ジャズバーを経営している人と仲良くなりました。たまに行くのですが、上手さ加減は様々ですが、集まってこられるお客さんは、皆さん楽しそうです。これが音楽なんだろうと思います。
ジャズですから、皆さんコード進行で演奏します。小生はフォークソングの単純なコード進行しか知りません。ご本人は駆け出しと言われるジャズプレーヤーも、難しいコード進行や、複雑な考え方をされています。聴いているだけで、楽しくなってしまいます。
クラシックが悪いわけでもないし、音楽大学流の演奏も良いものです。でも、ジャズの自由さも聴いて、自らのものにしてほしいと思いますね。



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